85mmの大口径単焦点レンズはポートレート用として人気が高く、各社からも今までたくさんの製品が発売されていました。
ソニーのフルサイズミラーレスFEマウント用にはF1.4とF1.8二本のソニーブランドレンズとツァイスBatis 85mm F1.8があります。
三本のレンズとも非常に高い性能を誇っていますが、ソニー自前のFE85mm F1.8は6万円台の安さで驚くほどの光学性能を実現しています。
ソニー85mm F1.4 GM | 20万円 |
ツァイス Batis 85mm F1.8 | 13万円 |
ソニー85mm F1.8 | 6万円 |
私もこの優秀なコストパフォーマンスに引かれて、α7RIIの二本目のレンズとして購入しました。使用してから1年以上経ったので、ここにレビューを書きます。
外観
長さが82mmで、フードをつけると118mmになります。重さが371gで、このクラスのレンズにしては普通のレベルです。持ち出すには大きな負担にはならないでしょう。
鏡筒の作りは金属で、しっかりしています。
フォーカスリングは比較的短め(25mm)で、フードを逆さまにつけると、邪魔になってさわれないことになります。
AFとMFを切り替えるスイッチがボディ側よりにあって、横にファンクションボタンがあります。初期設定ではフォーカスホールド機能(AFのとき、このボタンを押しっぱなしにするとシャッターを半押ししてもAFが効かなくなる)です。カメラのメニューからカスタマイズすることができます。手順はこちらです。
光学性能
解像力
開放(F=1.8)のとき、中心の解像度がかなり高いです。周辺部分も良好なレベルです。
F2.8に絞ると、中心部が非常にシャープになります。周辺部の改善は著しくないですが、ポートレートの用途なら周辺をぼかすときが多く、カチカチの描写は求めません。
色収差
開放付近では、リタッチをしなくても気づかない程度です。大口径レンズにしては実に優秀です。
極端にコントラストの高いシーンでのテストをしてみました。倍率色収差がこのクラスのレンズにおいてはかなり優秀です。下は等倍切り出しです。
ボケ
ポートレート用レンズのボケがかなり大事です。ソニーFE85mm F1.8のボケは私の期待に答えてくれました。二線ボケもなく、極めてスムーズです。人物を背景から分離して、立体的な描写ができます。
フレア
まったくないというわけではないですが、普通のレベルです。強い逆光のシーンにおいては発生します。
もっと詳しいテストはこちらのサイト(外部)をご参考ください。
リタッチで除去できますが、周辺光量落ちと歪曲収差について補足します。
このレンズの周辺光量落ち、特に開放付近ではかなり顕著(-2.48EV)です。大口径レンズにおいてはまずまずの程度です。
歪曲収差はほぼみられません。このクラスではそれが普通です。
オートフォーカス
オートフォーカスは静かです。速度は速くとは言えないですが、十分実用です。0.8sでピントが合います。もちろんソニー自慢の瞳AFも使えます。AFテストの動画はこちらをご覧ください。
ギャラリー
基本仕様
焦点距離 | 85mm |
口径比 | 1 : 1.8 |
最小絞り | F22 |
レンズ構成 | 8群9枚 |
画角 | 29° |
絞り羽根枚数 | 9 枚 |
最短撮影距離 | 0.8m |
最大撮影倍率 | 0.13 |
最大径×全長 | φ78×82mm |
フィルターサイズ | φ67mm |
重量 | 371g |
レンズフード | ALC-SH150 |
まとめ
ポートレートレンズとして、FE85mm F1.8は抜群の光学性能を持っています。ピントのあっているところがシャープで、それ以外は溶けていくように気持ちよくボケます。マイクロコントラストや色の表現力はライバルのFE85mm F1.4とBatis 85mm F1.8には及ばないものの、価格と手軽さを考えると、FE85/1.8は非常に優秀なレンズです。
ポートレートや紅葉、花を撮るとき必ずこのレンズを持ち出します。F1.4のレンズもかなり使っていたのですが、85mmならF1.8でいいのではと最近よく思います。実際私は絞って使う場合が多く、すごくボカした写真は逆に嫌いになってきました。もちろん大口径しか味わえない世界もありますが、頼まれて撮る場合はこのレンズでいくでしょう。
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