初心者でもわかるMTF曲線

MTF曲線とは

典型的なMTF曲線

MTF曲線とは、Modulation Transfer Functionの略で、カメラのレンズがどの程度解像度を持っているかを表す曲線です。MTF曲線は、水平軸に画像中央からの距離を、垂直軸にコントラストをプロットしたグラフで表されます。

MTF曲線の解釈方法は簡単です。曲線が高いほど、レンズが高い解像度を持っていることを示しています。また、曲線が左右対称であるほど、レンズが均一な解像度を持っていることを示しています。

一般的に、MTF曲線は、レンズの解像度を決定するための重要な指標として使用されます。また、MTF曲線は、異なるレンズを比較するためにも使用されます。

MTF曲線は初心者にとっては難しいかもしれませんが、MTF曲線を知ることで、レンズの性能を理解し、撮影に役立てることができます。

MTF曲線はどう作られたのか

MTF曲線の生成には、レンズをテストするために使用されるテストチャートが必要です。テストチャートは、通常、白黒ストライプが交互に配置されたグレースケールチャートで構成されています。

テストチャート

レンズをテストするために、テストチャートをレンズの前に配置します。その後、テストチャートをカメラで撮影します。この際、レンズの開放値や距離、被写体の明るさなどが一定であるように注意して撮影する必要があります。

撮影された画像は、コンピュータ上で解析され、MTF曲線が生成されます。MTF曲線は、各周波数でのコントラストの相対値を示すため、0から1までの範囲で表されます。

空間周波数(線対/mm)の意味

冒頭のMTF曲線図に赤と緑の2種類の曲線、それぞれ実線と点線で書かれています。赤と緑はそれぞれ違う空間周波数でテストされていることを意味します。通常10線対/mmと30線対/mmで書かれます。

なぜMTF曲線には10と30の2つの空間周波数があるかというと、これは撮影される被写体によって解像度の要求が異なるためです。10は、主に高周波数パターンを持つ微小な被写体に使用され、30は、低周波数パターンを持つ大きな被写体に使用されます。

例えば、10の空間周波数は、より細かなパターンを解像することができますが、30の空間周波数は、より大きなパターンを解像することができます。一般的に、10は高解像度で、30は低解像度であると言えます。

MTF曲線を用いて、レンズがどの程度解像度を持っているかを評価する場合、被写体の特性に応じて、適切な空間周波数を選択する必要があります。被写体の解像度要件に応じて、空間周波数を適切に選択することで、より正確な評価が可能になります。

なお、MTF曲線の空間周波数には、10や30以外にも、20や50などの他の周波数も存在します。これらは、被写体のサイズや解像度要件に合わせて選択されます。

実線(サジタル)と点線(メリディアナル)の意味

MTF曲線には、Sagittal(サジタル)とMeridional(メリディアナル)の2つの曲線があります。これらは、レンズの方向によって異なる解像度を示すため、レンズの性能をより詳しく分析することができます。

Sagittal曲線は、レンズの中央から端に向かって垂直に配置された線を通る方向の解像度を示します。つまり、レンズの中央から周辺部に向かって画像の細長い部分(たとえば、人物の鼻など)を撮影する場合に、Sagittal曲線がどのように変化するかを示します。

一方、Meridional曲線は、レンズの中央から端に向かって水平に配置された線を通る方向の解像度を示します。つまり、レンズの中央から周辺部に向かって画像の横長い部分(たとえば、風景など)を撮影する場合に、Meridional曲線がどのように変化するかを示します。

Sagittal曲線とMeridional曲線を比較することで、レンズがどの方向においてもどの程度正確に解像できるかをより正確に評価することができます。また、Sagittal曲線とMeridional曲線の差が大きい場合は、レンズの歪みがあることを示すこともあります。

レンズ選びに役立つ

MTF曲線を比較するための一般的な手順をいくつか紹介します。

  1. レンズのMTF曲線を入手する

まずは、比較対象となるレンズのMTF曲線を入手しましょう。一般的に、レンズメーカーのウェブサイトやレビューサイトなどで入手することができます。

  1. 比較する周波数を決定する

MTF曲線には、複数の空間周波数(冒頭の図だと赤と緑)の線が書かれています。比較する周波数を決定し、MTF曲線の値を比較しましょう。

  1. 曲線の形状を比較する

MTF曲線の形状を比較することで、レンズの解像度がどの程度鮮明になるかを比較することができます。MTF曲線がより高い値を示すほど、レンズの解像度が高いことを示します。また、MTF曲線が平らに近い場合は、レンズが全体的に均一に解像することを示し、偏心が少ないことを示します。

  1. SagittalとMeridional曲線を比較する

Sagittal曲線とMeridional曲線の両方を比較することで、レンズがどの方向においてもどの程度正確に解像できるかを評価することができます。これにより、レンズがどのようなタイプの被写体に最適かを判断することができます。

  1. 実際にレンズを試してみる

MTF曲線は、レンズの性能を評価するための重要な指標ですが、実際にレンズを試してみることで、より正確な判断をすることができます。実際の撮影シーンでレンズを試して、自分の撮影スタイルや好みに合うレンズを選びましょう。

以上の手順に従ってMTF曲線を比較することで、自分に最適なレンズを選ぶことができます。

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