予約してから約4ヶ月待って、ようやく手に入ったローライ35 AFですが、早速レビューしていきます。





Pros
作りは昔のローライ35とさほど大きな違いが感じられませんが、使いやすさの面で圧倒的に良くなっています。主にスナップショットを撮ることに向いていると思います。特に
- オートフォーカス:Lidarを利用したオートフォーカスはかなり早く、かつ正確です。昔のローライ35はゾーンフォーカスしか使えないがゆえに手放した経緯もあって、このAF機能は嬉しい限りです。フォーカス時は無音とは言えないですが、気にならないレベルです。
- 絞り優先測光:これも実によく働いてくれます。マルチゾーン測光らしいですが、スナップショットを撮る分には十分です。
- フラッシュ:自分はあまり使わないですが、あったほうがよりインスタントカメラ的な使い方ができます。特に室内とか暗めの環境で写真を撮る場合が便利です。
- 操作系:人によっては意見が分かれますが、個人的には本機のシンプルな操作が好きです。巻き上げ、シャッターを切る、また巻き上げの繰り返しで、パシャパシャ撮れます。昔のローライ35と同じ巻き上げレバーが左においてあるので、最初やや慣れが必要かもしれません。
- レンズは十分実用的で、解像度、コントラスト、逆光耐性も悪くありません。
Cons
伝統あるカメラメーカーで生産していないせいか、癖みたいな注意点もいくつかあります。
- 巻き上げ状態にしてから、offにする必要があります。そうでなくてもoffにはできますが、レバーが妙に引っかかります。
- フィルム装填後、巻き戻し位置(R)でないことを必ず確認しましょう。巻き戻し位置でフィルムを装填して、バックを開けたままで最初の2コマを進めることができます。ただバックを閉じて、巻き戻し位置のままでも巻き上げレバーは動けますが、コマが前に進めません。ここのフルプルーフがないので、気をつけましょう。
- バックが隙間なく閉めているかを確認する必要があります。若干隙ができても、バックをロックできるので、本機の詰めの甘さというべきでしょう。
- 巻き戻しレバーが収納時、なぜか突出していて、底面が平らになりません。
- 巻き戻しの操作がそこそこ指を痛めます。このサイズのカメラではしかないかもしれません。
- 絞り優先で測光すると、シャッタースピードが表示されません。OLEDには「OK」かどうかしか表示されません。ファインダーには何の表示もありません。
作例







まとめ
今時新しいフィルムカメラが発売されるだけで珍しいです。Contax TシリーズやリコーGRの価格が高騰している中、このRollei 35 AFもいい選択肢かもしれません。ただ、細かいところの詰めの甘さが散見されていて、完成度が今ひとつの製品かと思います。機能面を考えるとフィルム入門者には閾値の低いカメラではあると思います。巻き上げの機械的感覚を味わえる一方、面倒な測光とフォーカスは自動にやってくれますから。個人的にはイマイチ価格が高すぎる気がします。せいぜい10万円切るところにして欲しかったですね。
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