大判カメラ入門:アオリの使い方

湿板写真を始めたことをきっかけに、ついに大判カメラに入門しました。

Wista Rittreck View 5x7
Wista Rittreck View 5×7

大判カメラといったら、アオリは欠かせません。いまだに大判が使われる大きな理由の一つがアオリです。

アオリの仕組みを初心者なりに習って、実践して、まとめたのがこの記事です。アオリは大きく分けてチルトシフトの2種類です。それぞれ解説していきます。

チルト

普通のカメラシステムなら、被写体、レンズ、像面が下のように平行しています。

被写体、レンズ、像面が平行する

この平行関係が存在するかぎり、ピント面は自由にコントロールできません。例えば、風景撮影で、手前から向こうの山まで、全部はっきり写る(パンフォーカスという)ためには、絞りを小さくするしかありません。チルトはこの平行関係を破壊することで、ピント面のコントロールができます。

具体的にはシャインフリュークの法則に従って、ピント面制御のを行います。名前が長いので、ここからは「シャ法」と呼びます。

シャ法は非常にシンプルです。ピント面(AB)、レンズ面(M’N’)、像面(B’A’)、この三者の延長線が一点に交われば、ピント面がパンフォーカスになると言っています。

シャインフリュークの法則

大判カメラでは、フロントチルト(レンズ面)とバックチルト(像面)の2つの方法によって実現可能です。手元にあるWista Rittreckview(ウィスタリトレックビュー)5×7で実践してみました。

みかんを撮る、カメラがソファより高い

チルトを使う前の普通の状態は下です。

レンズ面が垂直になっている

この状態で見えたみかんはこちらです。

手前のみかんにしかピントが合っていない
構図を変えずに3つ全部ピント合わせるには普通絞りを小さくするしかない

さて、フロントチルトを導入します!レンズを倒せます。

フロントチルト

3つのみかんにピントが合っているか確認しましょう。

ちゃんと3つ全部ピントが合っている

このチルトを利用して、街をミニチュアのように写る写真をきっとみたことがあると思います。チルトを活用するといろいろと面白い写真が取れそうです!

チルトを利用したミニチュア風景

シャ法の後ろにある原理は高校の物理で習ったレンズの公式です。物面からレンズまでの距離を小さくすると、相対的に像からレンズまでの距離が長くなるということです。チルトさせることで、意図的に物面からレンズまでの距離がコントロールできたのが背後の理屈です。

フロントチルトよりバックチルトの方がレンズ周辺からの入射光が少なく、レンズのイメージサークルによる影響も少ないため、画質的にはいいらしいです。ただ、フロントチルトは操作的には楽なので、トレードオフですね。

シフト

チルトが角度をつけるなら、シフトは平行移動です。

建物を撮るとき、下から見上げて撮影するのがほとんどだと思います。そうすると、遠近法によって、建物の下の部分が大きく見えます。

大判カメラでは、レンズを上にシフトするか、バックを下にシフトすることによって、建物と平行関係を維持したまま、つまり垂直線は垂直のまま撮影することができます。少しシフトするだけで被写体をカバーできるらしいです。しかも、焦点距離が小さい方が効果が大きいです。

チルト同様実際試してみました。レンズを持ち上げるシフトの実験です。まずはシフトなしの普通状態です。

シフトしていない普通状態

かなり低い位置なので、ドアの下までみえます。レンズを持ち上げてシフトさせると

レンズ持ち上げ状態

効果が大きいです!ドアの下半分が見えなくなるくらいになりました。室内なので、ドアからは4mしか離れていません。実際建物を撮影するときはもっと行けるはずです。

まとめ

今回はアオリの勉強をして、チルトとシフトをWista Rittreckで実践してみました。今度はフィルムを入れて実機撮影してみます。

最後、イースターエッグ的なものとしてこのカメラの開閉の動画を載せます。大判の初心者として、実はこう言った基礎的な部分でてこずってしまうので、ご参考になれたらと思います。あと取扱説明書のPDFもありますので、必要ならダウンロードしていただければと思います。

Wista Rittreck View 5×7 basic operation (open and close)

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