秋は私の一番好きな季節です。他ではなく、色鮮やかな紅葉や黄葉が咲いているからです。
ほぼ毎年この季節には紅葉狩りに出かけていて、それなりのコツと撮影方法をまとめてシェアしたいと思います。
構図
紅葉を主体にして背景をぼかすのが一番使われる構図です。一輪の紅葉や葉っぱにフォーカスしたいときの構図です。
逆にあまりぼかさず、マンペンなく咲いていてる一面の紅葉もあります。山から見下ろしたときや電車に乗って、車窓から見たときの紅葉です。
うまくほかの被写体と組み合わせるともっと面白い写真ができます。紅葉を背景にして、前景に人物、山、電車、鳥居、川などを入れます。あるいは逆で、前景に紅葉、背景に何か別のもの(例えば家族がピクニックしているシーン)をぼかして写すと、思い出満載の写真になります。
紅葉の隙間を枠として使うこともおもしろい撮り方です。前景に紅葉が来て、隙間から被写体を覗くようなイメージです。子供や彼女、彼氏を紅葉越しに撮ると、「センスがいいね!」と言われるかもしれません。
きれいに咲いている紅葉に目が行きがちですが、落葉と紅葉の影も無視できません。足下にも気を配り、意外な発見が待っています。ローアングルを試したり、普段気づかないような構図を描いてみると楽しいです。
光の状況
鮮やかに写るためには、順光が一番色合いが強調されます。露出補正を-0.3〜-0.1EVにするとより濃い赤が得られます。
逆光に写す手法もよく使います。葉っぱの輪郭が金色に照らされ、輝かしく見えます。露出補正を+0.7くらいにすると、爽やかな明るい写真ができます。
紅葉の撮影は天気や一日中の時間帯に左右されます。秋は爽やかな晴の日が多いので、色鮮やかな油絵のような写真が撮りやすいです。朝と夕方のゴールデンタイムは光が滑らかな斜光で、空の彩度も高いです。旅先で紅葉を撮っているのなら、夕日と一緒に写る一枚はきっと思い出になるでしょう。
天気が曇や雨でも諦める必要はなく、水玉を探してみて、水面に映っている紅葉も意外と凛としています。
焦点距離
最近のスマホも複数レンズが装備されていたり、どの焦点距離で紅葉を撮ればいいのかが悩ましいです。
背景をぼかすのが被写体を際立たせるやり方としてよく用いられます。望遠レンズを使うと、限定した空間にフォーカスしている感覚があると同時に、「ここがきれいだ」という表現がしやすいです。
スマホだと、ポートレートモードのボカしすぎに注意する必要があります。背景が全部溶けてしまうと、結局紅葉と一緒に写る写真が得られません。
木漏れ日を撮るなら、広角レンズの出番です。広がっていく赤や黄色の影が自然の美しさを語っています。銀杏が絨毯のように一面を敷いていると、思わずシャッターを切りたくなります。
カバンに余裕がなければ、マクロレンズの持ち出しはあまりおすすめしません。マクロ撮影はボケやすく、小さい絞りを使わないといけません。三脚が持っていけるならいいですが、使えない神社とかだとそもそも無理です。重さとかも考慮して、自分はやはり手持ち派です。
レンズフィルター
C-PLフィルター
偏光フィルターです。紅葉の色をより濃くすることのできる便利道具です。
フィルターを装着して、前のリングを回すと、徐々に葉っぱの一部の反射が消えて、より彩度の高い紅葉や黄葉が撮れます。
NDフィルター
長時間露光したいとき使うものです。昼間の強い日差しのなか、大口径のまま使いたかったり、川に流れている紅葉をスローシャッターでボカしたりすることができます。
リタッチ
デジタル写真なら後処理が必須と言っていいでしょう。
紅葉のリタッチは比較的楽です。赤の輝度を減らすことで、より肉眼に見えている色に近づけます。ホワイトバランスが適切である前提で、赤の色度を少しだけピンク色の方向に持っていくと、一味違う赤色ができます。
赤以外の色を全部彩度ゼロにすることで、「モノクロの世界に孤独に咲いている紅葉」のような雰囲気を醸し出すこともできます。
まとめ
紅葉の撮影は場所にかなり依存します。人出の多い観光スポットだと、なかなかいい一枚が撮れなく悩んだりします。そのときはいろいろ動き回してみるといいでしょう。人の集まるところだけがきれいというわけではありませんから。ローアングルで撮ると、人が写らなくなるので、試してみましょう。
私がほぼ毎年紅葉を撮っていますが、飽きることはありません。しかし、たまにカメラを下ろしたり、撮るのをやめたりする場合があります。大自然のあまりもの美しさに、カメラではどうしてもこの思い出を残すことができなかったからです。その場合は満足できるまで景色を眺めて、記憶の中に刻みます。
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