ここが大事!ミラーレスカメラの公式サイトに載っているスペック表の読み方

前回は初心者の方向けに、ミラーレスカメラのスペックを解説しました。

しかし、それだけではカメラのパフォーマンスは語りきれません。特に比較検討するとき、レビューを読んだり、スペック表を読んだりしますが、前回の情報だけでは理解するのが難しいです。

今回はオフィシャルサイトに乗っているスペック表(仕様)が読めるようになることを目標に解説します。ほとんどのミラーレスカメラにおいて変わらないものは省略して、比較検討に重要なものにはフォーカスします。

以下はソニーα7RIVの例を使って、説明していきます。

マウント

使用レンズソニーEマウントレンズ

意外とこれを知らない方もいらっしゃるようで、バカにしているわけではありません。

基本的にレンズ交換式カメラはそのマウント用のレンズしか使えません。この例で言うと、レンズがEマウントでないとカメラに装着できません。ソニー以外のサードパーティ(シグマやタムロンなど)もEマウントのレンズを生産しているので、選択肢はソニーだけではありません。

現在のミラーレスカメラのマウントシステムは以下の通りです。

  • キャノンRFマウント
  • キャノンMマウント
  • ニコンZマウント
  • ソニーEマウント(フルサイズの場合はFEマウントとも呼ぶ)
  • マイクロフォーサーズ(オープンのマウントシステム。オリンパスとパナソニックがメイン)
  • Lマウント(オープンのマウントシステム。パナソニック、ライカ、シグマがメイン)
  • 富士フィルムXマウント

中判カメラのハッセルブラッドX1Dシリーズのマウントと富士フィルムのGマウントもあります。

RAWファイル

14bit RAW 出力
非圧縮RAW

RAWのbit数は最大どこまで色や光の情報を記録できるかを示しています。

基本的に12bit RAWと14bit RAWがありますが、14bitの方はより多くの情報が記録できて、画質が高いです。コマーシャル撮影、プロと上級アマチュア向けのカメラなら、16bitの機種もあります。色のきめ細かさは目を張るようなものです。

非圧縮RAWは圧縮RAWがロスレスでない場合に意味があります。たまに議論になることはありますので、ロスレスのRAWが対応しているなら無視していいです。

動画LOG対応

ピクチャープロファイル切/PP1-PP10(ブラックレベル、ガンマ(Movie, Still, Cine1-4, ITU709, ITU709 (800%) , S-Log2, S-Log3, HLG, HLG1-3)、ブラックガンマ、ニー、カラーモード、彩度、色相、色の深さ、ディテール、コピー、リセット)

メーカーによって呼び方は違いますが、仕様のページでLogを検索するといいです。

V-logとかの動画を撮りたい方に必要なスペックです。スチール撮影はRAWでとるなら、この設定は意味ないし、JPEGで撮るなら、ここを弄ることも普通しません。

ソニーのミラーレスカメラではS-Logと呼ばれて、S-Log2とS-Log3の2種類が提供されています。詳しくはこちら(オフィシャルサイト)。

SDカード対応

記録媒体SDメモリーカード、SDHCメモリーカード(UHS-I /II対応)、SDHCメモリーカード(UHS-I /II対応)、microSD メモリーカード、microSDHC メモリーカード、microSDXC メモリーカード

SDカードには様々な種類があリます。一般的なSDHCから、この例には登場していないSDXCやSDUCまであります。手元に持っているSDカード、あるいはこれからSDカードを購入するとき、カメラに対応しているかを確認しましょう。

AFカバー領域

測距点数35mmフルサイズ時:567点(位相差検出方式)、フルサイズレンズ装着かつAPS-C読み出し時:325点(位相差検出方式)、
APS-Cレンズ装着:247点(位相差検出方式)/425点(コントラスト検出方式)

前回、カメラセンサーにはAF用の画素があると話しました。ここの「測距点数」は具体的にどれくらいのピクセルがAFに回されているかを示しています。

特に「位相差検出方式」の数に注目します。通常、多い方が高速AFのカバー領域が広いです。つまり、下の図のような端っこのフォーカスも素早くできます。

ビューの右下の端っこにもピントが合う

「APS-C読み出し」はクロップモードと思っていいでしょう。「APS-Cレンズ装着」はフルサイズのボディにAPS-C専用のレンズを使う場合の話です。普通そういう使い方をしないので、ここでは触れないようにします。

検出範囲

検出輝度範囲EV-3-20 (ISO100相当、F2.0レンズ使用)

カメラのAFが動作するには、一定量の光が必要です。

EVは露出の単位で、この例では「-3」からスタートしています。

検出輝度範囲は下限が大事で、数値が低ければ低いほど、暗いところでもきちんとAFが動作できることを保証します。例えば、α7IVに比べて、「-3.5〜」の検出範囲を持つニコンZ6が勝ちです。ただし、比較するときは後ろのかっこにある条件が同じなのかをチェックしましょう。

フラッシュシンクロ速度

フラッシュ同調速度 1/250秒

フラッシュを使うとき注意が必要です。このフラッシュシンクロ速度はフラッシュを使うときの最大シャッタースピードです。

この例では1/250秒となっていて、それより高速のシャタースピードはフラッシュを使うとき使えないと言うことです。

フラッシュはカメラに近いものにしか明るくできません。例えば、背景に車が走っていて、カメラの前にいる人を撮っているとしましょう。フラッシュを使うと、このシンクロ速度の制限によって、車がボケてしまいます。

まとめ

スペック表の読み方はここまでにします。

まだまだ専門用語がこれから出会うことになるかもしれませんが、ここからカメラを理解するにはシンプルに用語を解説してもなかなかわかりづらいと思います。用語の間の関連性も高くなります(この用語の解説にはあの用語を使うとか)。

カメラの基本構造と働き方を知った上で、深掘りしたほうがいいと思います。基本を抑えれば、写真を撮影していくうち、本当に何が欲しいのかがわかってくるので、次の機種アップデートするときちゃんと目的意識を持つようになります。

では、楽しいカメラライフをお過ごしください!

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