普段何となくカメラやスマホを構えて、構図を決め、シャッターを押したら、写真が勝手に出来上がります。
フィルム時代では現像を踏む必要があったが、カメラのなかでは、写るというプロセスが完結しています。
今のカメラはいろん形をしていて、機能も豊富です。これ本当にいるのとか、あったら何が便利なのかをわからないときも多いです。
今回はカメラという機械のコア機能(ないとカメラと呼べない)ー写るための基本を紹介します。
本質に迫るには、いらないものを取り除いていき、最後残ったのが「写る」に不可欠なものになります。ザ・カメラを見ていきましょう。
ファインダーはいらない
デジタルカメラの液晶モニターも被写体を確認する意味でファインダーと同じ扱いです。
何を撮っているかを確認しなくても、写真は写ります。ファインダーはあくまで構図や被写界深度をわかるためのもので、ザ・カメラにはいらないです。
レンズはいらない
小学生のときにピンホールカメラを遊んだことはありますか?
箱に小さい穴を開けて、光がそこを通って像になります。この小さい穴がカメラにおいてレンズの役割を果たしています。
小さい穴なので、絞りもないです。普通のカメラのフォーカスがレンズで行うので、この場合ピント合わせ機能も一緒になくなります。カメラのバックを動かすことでフォーカスする機種もあったが、ピンホールカメラにも必要ありません。
なので、ザ・カメラにはレンズがいらないです。
シャッターはいらない
露光する時間を簡単に制御するためにシャッターがあります。
手でピンホールカメラの穴を塞いで、離して、また塞いでしまえば、シャッターの代用にはなります。もちろん手がシャッターのように高速に動けないですが、写らないことはないです。
なので、ザ・カメラにはシャッターがいらないです。
ザ・カメラ=暗箱+感光面
最後に残ったのがカメラの箱とセンサー(感光面)です。
カメラの本来の意味は暗箱なのです。光が穴を通って、後ろの面に像を結ぶ機械のことをいいます。スマホカメラの小さいものでは、小さい暗箱なのです。
この暗箱だけでは(上下左右反転の)像の観察はできるが、記録することができません。19世紀に発明された写真術はこの暗箱に感光層をつけたものです。適切な処理(現像)を施すことによって、感光層に記録された情報を目に見える形にします。
デジタルカメラでも例外ではありません。センサーが感光層で、記録された情報がRAWファイルです。RAWというのは「生の情報」だから、「デジタル現像」と呼ばれる処理によって、JPEGやPNGなどの画像ファイルに落とします。直接JPEGで撮る場合も、カメラの内部でRAWファイルの処理をしているだけです。
ザ・カメラ はシンプルです。しかし、これには三つ大きな問題があります。
- 何が写っているかわからない。
- 像が甘い。
- 光の量(露出)がコントロールしづらい。
1の問題はもっとも大きいです。ピンホールカメラの画像は解像度が低く、周辺が非常に暗くなっています。像の大きさも変えられないし、被写界深度の制御もできません。それを解決するため、レンズがあります。
2に関して、手で露出時間を調整すると上の節でいいましたが、コントロールするのが難しいです。それを解決するため、シャッター、感度、絞りの三点セットがあって、メーターがあります。
3の問題はファインダーに直結します。何が写っているかを見つけたい=ファインド(find)、それがわかる道具=ファインダー(finder)です。このファインダーからレンジファインダーカメラと一眼レフカメラの違いがでてくるわけです。
この三つは写真を撮るための三段階に対応していて、きれいに写るための必要条件です。
1.フレーミング → 2. 集光、像を結ぶ → 3. 露出を決める
まとめ
カメラは写るための道具と考えると非常にシンプルなものです。
しかし、シンプルさゆえに操作しづらく、写真を得るために苦労します。現代のカメラの様々な機能はこの苦労を解消していくためのものだと思います。
次回はフレーミングにまず注目して、今までのカメラにどんなファインダーがあったのか、一眼レフとミラーレスのファインダーはどう違うかを解説します。
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