時代はレンジファインダーから一眼レフに流れていました。
ペンタプリズムで正像が見えるようになって、自動ミラーダウンでユーザビリティをさらに向上させました。もともと有利だったマクロや望遠の撮影を加えて、市場は一眼レフは認めたのです。
Exakta、コンタックス、ペンタックス、キャノンに続き、ニコンも一眼レフの開発に踏み切りました。そして、1959年、名機ニコンFが誕生したのです。
ニコンFのデザインは同時期開発のレンジファインダーのニコンSPと似ていて、ペンタプリズムが乗っかっているSPと言われるほどでした。極めて簡潔かつ力強い輪郭の持つニコンFは実に男らしいです。
1974年まで生産し続けたニコンFはいくつかのバージョンがあります。色にはブラックとシルバーの2種類で、ペンタプリズムファインダーには大きく分けてメーター非内蔵の初期型と内蔵の後期型があります。もっと細かい分類として、
があります。さらに、NASAの注文によって、アポロ15号に使うための宇宙用モデルも開発されて、一夜有名になりました。
ニコンFはその堅牢なボディによる優れた耐久性、豊富なレンズ、アクセサリー群とシステムとしての高い完成度から、プロのカメラマンの間で高い人気があります。
「ニコンFマニュアル」の記載によると、そのシャッターは10万回のテストを凌げて、実用耐久記録130万回を超えたとされています。耐寒温度も普通モデルでは-20〜25度で、耐寒仕様だと-40まで動作することができます。
ナショナルジオグラフィックのカメラマンであるロバートはそれが気に入ったでしょう。ローズマン橋を撮影するため持ち込んだ数台のニコンFはそれぞれ違うレンズがつけられて、待ちに待った最良の光の状況で、望んだ一枚を決して逃したくないでしょう。
ニコンFは一番長く使われるFマウントの始まりです。今日まで続いたFマウントは非常に膨大なレンズ群を生み出して、ニコンが根強い支持層を得られた理由でもあります。
ニコンFの特徴は
操作など詳しく知りたい方はこちらの動画(英語)をみてください。
物語の最後、母フランチェスカを理解した子供たちは、その遺言に従って、灰をローズマン橋の上から撒いたのです。
生きている間は家庭に尽くし、なくなったあと、その変わらぬ想いとともに、愛した人に捧げます。それはフランチェスカの一生で、『マディソン郡の橋』から見えた人間物語です。
ニコンFを持って各地を転々としたカメラマンは何人いるのでしょう。カメラがもたらしたのは写真だけではなく、邂逅、記憶、そして新しい体験です。
生産量の大きいニコンFは中古マーケットにもたくさん流れています。1万円くらいでも購入できて、コストパフォーマンスがかなりいいです。フィルム機械式カメラを入門するにはいい選択肢でしょう。
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