カメラセンサーサイズの変遷(前編):フルサイズ、APS-C、フォーサーズ

カメラをランキングづけるのはセンサーサイズといっていいでしょう。なぜなら、

画質=センサーサイズ

ですから。ミラーレスにせよ、一眼レフにせよ、スマホカメラにせよ、この規則から逸脱することはありません。

歴史的どんセンサーサイズがあるか、なぜそんなに種類が多いのかを話していきます。

※デジタルカメラ以前のカメラはセンサーがないですが、便宜上センサーサイズで呼びます。

銘機Leica M3

フルサイズ

サイズ:36mm X 24mm

一番よく耳にするセンサーサイズではないでしょうか。5、6年前のデジタルカメラではかなり珍しかったです。今でも高画質を訴えるため、よく使われます。

35mmフルフレームとも呼ばれます。フィルム時代は135というコダック規格のフィルムを使うため、135と呼ぶこともあります。

36枚と24枚と2種類のフィルムが主流です。デジカメ時代ではあまり枚数とか意識しないですが、歴史的にみて、135フィルムの枚数が比較的多いです。

135フィルム

デジタルカメラにおいて、フルサイズは大きいです。しかし、フィルム時代では、フルフレームが小さいんです。いわゆるコンパクトカメラに使われるのが一般的です。

このサイズが今日の地位を獲得できたのはドイツカメラメーカー「ライカ」(当時の社名はライツでした)のおかげです。

Barnack Leica

1926年、ライツ社のオスカー・バルナックは持ち運べるカメラの開発にあたって、当時の映画用35mmフィルムの2コマを1コマにしたイメージサイズを採用しました。

幅=35mm

ライカカメラが世界的広めたこともあって、この規格が一般的となりました。

3:2の写真が多いのもここに起因します。

このイメージサイズのカメラが利便性と画質のバランスをうまくとれたことで、大量な機種が発売されていました。

それに合わせたレンズやアクセサリーが豊富で、今でも一番重要なセンサーサイズです。

デジタルカメラの黎明期においては、フルサイズセンサーは高嶺の花でした。当時の技術ではそれくらいの大きさのセンサーを作るのがとっても難しかったです。

Canon 5D(2005年発売)が一般ユーザー向けの初めてのフルサイズデジタルカメラでした。それでも40万円台で、かなり高価でした。

「canon 5d」の画像検索結果
Canon 5D
「sony a7」の画像検索結果
Sony α7

Sony α7(2013年発売)が初めてのミラーレス一眼で、13万円台の驚きの安さになっていました。

カメラ市場自体が縮小しているなか、より専門性の高く、画質の良いカメラが求められるでしょう。フルサイズカメラは再び主流になるのではないでしょうか。

APS-C

デジタル時代の呼び方で、Advanced Photo System type-Cがフルネームです。「type-C」からも分かる通り、他のタイプもあります。おそらく、フィルム時代のハーフサイズに一番近いという理由で、他のタイプより多く使われています。

フルサイズの半分くらいの23.4mm X 16.7mmです。ハーフサイズは24x18mmです。

1959年発売されたオリンパス・ペンが最初のきっかけです。もっと小さく、コンパクトのカメラが欲しいというニーズから生まれた製品です。

OLYMPUS-PEN: 1959年発売

135フィルムを縦方向で走らせて、一本で2倍くらいの枚数が撮れます。1960年代において人気が高かったですが、35mmカメラの小型化やフィルムの安価化にともなって、衰退していきました。

デジタルカメラの時代になると、フルサイズセンサーが高かったため、一時期主流の一眼レフがほとんどこのセンサーサイズでした。

各社のAPS-Cでは若干差異があります。キャノンは22.5mm X 15mm、他社のより一回り小さいです。レンズの焦点距離を換算するときは1.7をかけます。他のメーカーはだいたい1.5です。

今でもニコンの4桁シリーズ(D5600 etc.)、キャノンのKiss、二桁シリーズ(60D etc.)やソニーの4桁シリーズ(α6500 etc.)など、たくさんの機種が発売されています。

フルサイズと比べて、画質は劣るが、コンパクトにできます。しかし、このセンサーサイズに対応するためのレンズもかなり大きくて、フルサイズが普及していくなか、少し微妙な立ち位置になっています。

Sony E55-210、345gある

ニコンがD5000シリーズを中止するウワサもありますので、APS-Cもハーフサイズと同じ結末を迎えることになるのでしょうか。

フォーサーズ

このセンサーサイズはパナソニック、オリンパスとコダックが共同開発した規格で、デジタル時代に入ってからの話です。

正確には、フォーサーズはカメラシステムの規格になります。やはり小型の一眼レフが欲しいのが理由です。

フルサイズの対角線(43.26mm)の半分を持って、4:3の縦横比で、17.3mm x 13mmのサイズになっています。レンズの焦点距離換算倍率は2です。

このフォーサーズ自体はあまり人気がなかったのですが、2008年最初のミラーレスであるパナソニックLumix DMC-G1とともに、マイクロフォーサーズという名前となりました。

「Lumix DMC-G1」の画像検索結果
Panasonic Lumix DMC-G1

センサーサイズはそのままですが、一眼レフと比べて、シンプルであるため、マイクロという名前がつけられたのでしょう。

フルサイズの1/4の大きさだから、画質は劣ります。が、レンズもかなりの小形化ができるため、焦点距離の長い望遠レンズもある程度の重さに抑えられます。

現在、主にオリンパスとパナソニックがこのセンサーサイズのカメラを開発しています。もうミラーレスの時代なので、マイクロフォーサーズだけですね。

有名な機種はオリンパスのOM-Dシリーズです。専門性が高く、写真家の間でもかなり高評価らしいです。

まとめ

フルサイズ、APS-Cとフォーサーズの変遷や歴史を話してきました。

次回はあまり聞きなれない大判、中判を紹介します。

では、楽しいカメラライフをお過ごしください!

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