フィルムのデジタル化はフィルムスキャナーがおすすめ

写真を撮ったらシェアしたくなりますよね。

でもフィルム写真だと、何かしらの方法でデジタル化しないとネット上でシェアできないです。

特にネガフィルムは着色されているので、元々のフィルムの色を再現するのが難しいです。

デジタル化の手法自体は色々あります。スマホアプリを使うなり、普通のミラーレスや一眼レフで複写するなり、写真屋に頼んでスキャンしてもらうなどがあります。

私はフィルムスキャナーを使って、自分でスキャンしています。

その一番のメリット

簡単に理想のフィルムの質感や色を再現できる

ことです。

では、まず他の手法と比べてみましょう。

フィルムデジタル化の手法比較

一番楽なのは写真屋に出すことです。そこでよく使われるのは下のような業務用スキャナーです。効率重視なので、自分の理想とする色からかなり離れる場合があります。

業務用一体型フィルムスキャナー

価格は500/本くらいなので、長期的にはコストがかかります。

次にスマホアプリでデジタル化、複写そしてフィルムスキャナーを使うの三つの手法を説明します。

スマホアプリを使う

真っ白なスクリーン(例えばディスプレイやiPad)の上にフィルムを被せて、スマホカメラの現像アプリを使ってフィルムの写真を撮ります。フィルムの種類を設定すると、適当に色を再現してくれます。例えば、↓のようなアプリがあります。

フォトスキャン
最新のスキャナで懐かしい写真を取り込みましょう。Google フォトのフォトスキャン アプリを使えば、思い出の写真をスキャンして保存できます。

アプリの使用は基本無料なので、画質を全く求めないときは使えます。

スマホアプリでフィルムをデジタル化する
スマホアプリでフィルムをデジタル化する

解像度が低く、一枚一枚写真を取らないといけないため、手間がかかります。

あと、フィルムからスクリーンまでの距離が近すぎると、液晶の模様が出てしまいます。実際やってみると、そう簡単には行きません。

デジタルカメラで複写する

複写用アダプターを使って、デジタルカメラでフィルムの写真を撮ったあと、画像編集ソフトでその写真を編集するようなやり方です。

フィルム複写
フィルム複写(友人からこの写真を借用)

使用するアダプターは下のようなものです。実際にはマクロレンズをはじめ、バックライトやフィルムホルダーなど、一式揃わないと複写をすることはとても難しいです。

Amazon.co.jp

安くスタートできるのがメリットですが、画質を追求して、色々手を出すと結局コストがかかってしまいます。

得られた画像の解像度は一見カメラの画素数そのままですが、フィルムから離れているため、細部はぼやけているのです。

基本的に135フィルムの複写用のアダプターしかないので、120のような中判フィルムのデジタル化が難しいです。

複写はとても手間のかかるやり方です。1コマごとにセットする必要があって、カメラ側の露出も調整しないといけないです。複写が終わったら、一枚一枚の色の校正もあります。1本(36枚)の135フィルムを複写するのに数時間はかかります。

フィルムスキャナー

基本的には以下の3ステップでスキャンできます。

  1. フィルムホルダーにフィルムをセット
  2. スキャナーにホルダーを設置
  3. スキャンソフトでスキャンボタンを押す

もちろん細かな作業、例えばフィルムについている埃を吹き飛ばしたりしますが、それはどこまでこだわるかの話です。

複写と比較したとき、同じ1本(36枚)の135フィルムのスキャンは1時間くらいで終わります。

スキャナーの性能に依存しますが、バッチスキャン(一括で複数コマ)ができるので、放置することができます。つまり、複写のような1コマずるセットする作業がいらないです。

フィルムの色の再現ですが、スキャナーソフトのプリセットを使うと、簡単にできます。使うフィルムの種類(Ektar100やPRO400など)をリストから選択するだけです。

プリセットを選択
プリセットを選択(スキャンソフト:VueScan)

画質に関しては、フィルムの至近距離までスキャナーのレンズがきているので、解像度が高いです。明暗の諧調もより豊かです。

値段ですが、手頃なフィルムスキャナーもたくさんあります。1〜3万円くらいで手に入ります。

以上の比較をまとめた結果がこちらです。

画質手間価格
スマホアプリ✖️
複写✖️
スキャナー

フィルムスキャナーの種類

フラットベッド型とフィルム専用型があります。

フラットベッド型

フラットベッド式は普通のスキャナーの延長で、A4紙とかのスキャンもできるタイプです。。

フィルムスキャナーと名乗っているのはフィルムをセットするフィルムホルダーが付いて、かつ写真用にいろいろチューニングしてあるからです。

フラットベッドスキャナーで120フィルムをスキャンする
フラットベッドスキャナーで120フィルムをスキャンする

フラットベッド型はフィルム専用型と比べて、フィルムにピント合わせるためのオートフォーカス機能がなく、ピントが甘いです。結果として、解像度が低くなってしまいます。

でもメリットもあります。スキャン領域が広いため、135、120から大判の8×10まで全部カバーできます。

価格も高くありません、2万円前後のものが多いです。

ちなみに、120フィルムをスキャンしたいなら、低価格帯の機種はフラットベッドしかありません。フィルム専用型は20万円前後かかります。

フィルム専用型

フィルムのスキャンを行うための専用機で、135フィルムのスキャンにターゲットを絞った機種が多いです。

フラットベッド型がフィルムを平面上に「置く」と違って、専用型はフィルムをスキャナーに入れるのです。

フィルムホルダーにセットしてから入れるタイプもあれば、そのまま差し込んで、吸い込まれるタイプもあります。

フラットベッド型よりフィルムの平坦性が担保され、かつオートフォーカスもできるため、高い解像度で鮮明な画像が得られます。

左:フラットベッド(エプソンGTX900)でスキャン
右:フィルム専用型(ニコン9000ED)でスキャン
フィルム専用型のほうが解像度が高い

まとめ

フィルムのデジタル化手法を紹介しました。

手間かけずにいい結果を得たい場合はフィルムスキャナーがおすすめです。もちろん細いコントロールはスキャナーソフト側でできるので、いろいろいじって見るのはフィルムの面白さではないでしょうか。

では、楽しいカメラライフをお過ごしください!

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