自宅でネガフィルムをカラープリント

自宅でカラープリントをするにはいくつか難点があって、今まで断念していました。何が難しいかというと

  1. 室温より高い温度でプロセスする必要がある
  2. 真っ暗の状態で引き伸ばさないといけない
  3. 色の調整が難しい

最近になって、ようやくそれらをある程度克服できて、自宅でカラープリントを楽しめるようになりました。上の三つの問題へどう対処したかをざっくりまとめると

  1. 室温より高い温度でプロセスする必要がある
    → 低温調理器で温度を保ち、薬品類を水浴にする。
  2. 真っ暗の状態で引き伸ばさないといけない
    → 浴室のあらゆる光源に黒いテープを貼り、遮光する。どこに何を置くのかを明確にしたワークフローを確立する。
  3. 色の調整が難しい
    → 三原色と補色の関係を頭に叩きこんだ上、プリント結果をスマホで撮影し、ホワイトバランス調整のシミュレーションをする

こちらがプリント結果です(エプソンGTX970でスキャン)

以下、私のワークフローをシェアして、ご参考になれたら幸いです。

道具

低温調理器

カラープリントは温度が肝です。そこで低温調理器を使って、規定の温度に水温を保ちます。下図のように、現像液、停止液、漂白液を水浴にします。

低温調理器はAmazonで8000円程度で購入できます。例えばこちら

カラー引き伸ばし機

モノクロの引き伸ばし機は持っていますが、もう一台カラー用に買うと、置く場所がないので、Intrepid Cameraの引き伸ばしセットを使っています。4×5カメラを引き伸ばしヘッド代わりに使うのです。実際使っている様子を載せます。

オフィシャルサイトのリンクと紹介動画をも載せます。

Intrepid 4x5 Enlarger MK2 (with Timer) - The Intrepid Camera Company
The Intrepid Enlarger is the ultimate DIY photography tool, converting your 4x5 camera into a fully functional darkroom enlarger. You can use it to make...
Setting up the Intrepid 4×5 Enlarger (part 1)

専用引き伸ばし機より手軽で、趣味に使う分には十分だと思います。4×5カメラ使わないセットもあります。海外だと結構人気のようです。

Intrepid Compact Enlarger for 35mm & 120 - The Intrepid Camera Company
Utilising new LED technology The Intrepid Enlarger is a total rethink of the traditional darkroom enlarger. A super compact, simple and fun to use kit for...
NEW Intrepid Enlarger. What's it like?

ワークフロー

準備

暗室が完全遮光なのかを確認します。私の浴室では何箇所のボタンが光るので、それらを黒いテープで貼ります。窓があれば、遮光カーテンを使うか、夜になってから作業するようにしましょう。

カラー印画紙を取り出して、真っ暗のなかで注意しながらテスト用ストリップに切ります。

引き伸ばし機で露光

モノクロの引き伸ばしと基本同じです。ネガをセットし、ピント合わせします。カラープリントではネガについている埃がより顕著に見えると感じました。よく吹いてからネガをセットしましょう。

テストストリップを使って、適切な露光時間を決めます。ただ、カラープリントの場合、ホワイトバランスの調整も必要で、引き伸ばし機のMとYの値を増減させます。色の偏りを直すには、以下のルールに従って操作します。

  • 黄色に偏る:+ Y
  • ピンクに偏る:+ M
  • サイアンに偏る:+ Y + M
  • 青色に偏る:- Y
  • 緑に偏る:- M
  • 赤に偏る:- Y – M

色の調整がなかなか難しいもので、色に対して一定の感度と経験が必要と思います。明らかに偏りがある場合は10を単位で調整し(Y + 10とか)、次に5を単位で整えて、拘っている時だけより細かい制御をしています。印画紙の現像が面倒なので、アバウトでもいいかなと思います。

印画紙の現像

露光済みの印画紙をカラードラムに入れます。ここも暗室で行うので、あらかじめ明るいところで練習しておいた方がよりスムーズにできます。

タンク現像やペーパープロセッサーで現像するやり方もありますが、前者は完全真っ暗で一連の操作をしないといけなく、ハードルが高く、後者はマシン自体が高いかつ場所を取るので、ドラムを使うのが一番自分に合うかと思います。

現像自体は簡単で、水浴にしていた現像液、停止液、漂白液を順にドラムに入れてまた取り出し、最後水洗するというプロセスです。温度や時間は使う薬品の説明書に従えばいいです。本当は最初ドラムを温める必要がありますが、現像液の温度を1度くらい高めにして、ドラムのウォームアップを省いています。

もっと詳しいプロセスはこちらの記事に書かれています。私も大変勉強させていただいています。

暗室自家プリントでの必要な用品および薬品(モノクロ・カラー) | フィルムカメラで撮って自家現像と自家プリントをする
自宅の暗室でプリント処理を行う前に準備する用品群あるいは薬品類を記しています

温度と現像時間の精密コントールはそこまで必要性を感じませんでしたが、いずれもアンダーより少しオーバーした方がいいよに思います。(ただ、それは冬だから、室温が元々低いからかもしれません)

乾燥して再調整

カラー印画紙は乾燥状態と湿った状態では色合いが変わります。現像済みの印画紙をドライヤーで表面を乾燥させて、仕上げ具合を観察したほうがいいです。色の再調整をしたいなら、YとMをいじって、露光のステップに戻ります。

最後はハンガーで吊るして、乾燥させればいいです。RCペーパーなので、乾燥したら収納します。

パラメーターの記録

次回プリントする時の参考にするため、パラメータをちゃんとメモします。

  • ネガの種類(富士フィルムPro 160など)
  • Y、Mの値(Y 35, M35 など)
  • 露光時間(6 x 7フィルム → 8 x 10サイズ、24s)

まとめ

ワークフローの確立は試行錯誤でした。自宅の状況に合わせてやる必要があります。一旦確立できたら、あとはだいぶ楽になります。覆い焼きなどのテクニックもいずれ試したいところです。

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