19世紀の古典レンズ

写真術は19世紀の発明です。それと同時に、写真用レンズの開発もスタートしました。

今のレンズと違って、絞りバネがなかったり、レンズ自体がバラせたりします。また、今のレンズの光学性能には遠く及ばないものの、収差の発生によるおもしろいエフェクトが味わえます。湿板や乾板の感光能力に合わせて製造されたものであり、フィルム時代のレンズとも一線を画する存在です。

古典レンズPetzvalの復刻版(EFやFマウント)、写真はオフィシャルサイトより

当時のレンズは手作りのものがほとんどで、メーカーもたくさんあります。年代が古く、情報もあまり見つかりません。この記事はこういった19世紀の古典レンズの小さなWikiにして、集めてきた情報を記録します。まだまだ勉強中なので、随時更新していきたいと思います。

用語集

Aplanat(アプラナート)

球面収差とコマ収差を解消している状態のことです。Ernst Abbeによって命名されています(出典)。

古典レンズにおいては、2群のアクロマートを対称に設置して、真ん中に絞りを置くようなレンズをいいます。ここのAchromatレンズは通常貼りあわせのDoublet(ダブレット)を使用します。

From Wiki

1866年、最初のAplanatレンズはドイツのCA Steinheil社によって発明され、ほぼ同時期に英Dallmeyerより同じ設計思想のRapid Rectilinearが開発されました。

1890年代に入ってから、Anastigmatの設計に移り変わりました。

Stigmatic(スチグマート)

球面収差とコマ収差と非点収差を解消している状態のことです。

像面湾曲が残るが、ポートレートに向いています。座っている人物にはアオリに似ているような効果が得られます。

Anastigmat(アナスチグマート)

球面収差、コマ収差、像面湾曲、非点収差を解消している状態のことです。

最初のAnastigmatレンズに関して、日本語Wikiと英語、ドイツWikiの記述の違いがあったため、もう少し調べます。

命名自体はCarl ZeissのPaul Rudolph博士によるもので、のちにProtarに改名されました。よりシンプルなCookeのTripletの開発により、Anastigmatが一般化しました。

メーカー

anastigmat

Suter Aplanat(from)

Suter Rapid aplanat Series A, F/6, was made in 13, 21, 24, 30, 42, 48, 55, 65, and 90cm focal length.

Sharp coverage is from 20 degrees at full aperture to 50 degrees at small apertures (general figures for fast f/6 Aplanats). Within this angle a good Aplanat (and Suter made GOOD Aplanats) is at least as sharp as an anastigmat of the same age.

Suter’s Aplanats tend to have only Series and No. clearly engraved. Focal length and max aperture is something the original owner would have known when he bought it

The Serie A was the Rapid Aplanat, Serie B was the “universal” Aplanat F/8

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