東京の休日:日本カメラ博物館、半蔵門から神保町までを散策

秋が深まり、天気も晴れて、散策には絶好の日です。

というわけで、東京に引っ越してからずっと行きたかった日本カメラ博物館に行ってきました。場所は地下鉄半蔵門駅の出口4から、徒歩で1分くらいのところにあります。

ついでに神保町まで歩いて、スナップショットを撮ろうと思って、ソニーα7RIIにFE28mm F2.0のコンビで出かけました。このレンズについてはこちらのレビューに詳しく書いています。

都内でありながら、半蔵門の近くは人が少なく、のんびりした雰囲気が漂っています。たまに見かける友たちどうしや家族が手をついないで、坂を降ったりします。

半蔵門駅近く
半蔵門駅近く

日本カメラ博物館の前にやってきました。シンプルに名前の刻印とガラスケースです。

日本カメラ博物館
日本カメラ博物館

博物館自体は地下にあります。階段降りてまず目にするのは一台のアンソニー大判カメラです。大正や昭和の時の写真館にある椅子がカメラの向かい側においてあります。実際に冠布に潜って、当時の写真体験を感じ取れます。

博物館前のアンソニーカメラ

入館料は300円で、館内の写真撮影は禁止です。私が行ったのはちょうどお昼くらいで、館内には一人か二人しかいない、とても静かでした。

日本メーカーのカメラの変遷をたどっていくことがメインルートです。明治前に渡ってきた写真術と木製カメラをはじめ、戦前の蛇腹、ライカ模倣品や戦時の軍用空中カメラ、戦後の二眼レフ、一眼レフに続いて、今のデジタルミラーレスカメラまで網羅しています。

館内の風景(公式サイトより)

用途別にも写真館用の大型湿板、乾板カメラ、プレス用報道カメラ、大衆向けのボックスカメラなど漏れなく揃えています。

各ブランドの画期的な製品が重点的に紹介されています。最初の一眼レフ、最初のTTL測光などカメラの進化が追体験できます。

カメラが高嶺の花だった明治初期から誰でもどこでも簡単に撮れる現在まで、どれだけの技術が積み重なってきたのかがよくわかります。当時のカメラの販売価格と公務員初任給の一覧もあって、大衆化を辿り続けていることはパソコンと一緒だなと思いました。

日本のカメラだけではなく、世界のカメラも展示されています。ライカ、ツァイス、コダック、エクサクタなど様々のカメラがガラスケースに展示されてます。日本のカメラメーカーがいかにこれらのメーカーを参考にしながらも、独自の道を切り開いて、世界をリードするようになったのかがわかります。

館外からみた館内の風景

歴史上のカメラの展示以外に、いくつかの面白いコーナーも設けられています。様々な形を取ったスパイカメラが非常に印象に残ります。タバコでも、帽子でも、ライターでも、こんなに小さいレンズと小さいフィルムが入れるとは、驚くばかりです。

実際クラシックカメラを手にとって、シャッターを切ってみたりするコーナーもあります。二眼レフ、レンジファインダー、一眼レフ、見るだけではなく、体感することもできるのがすばらしいです。

手前の机においてあるのが体験用カメラ
一番左下はカメラとレンズの部品を利用して作った恐竜

他には写真術の歴史と重要人物を語るパネル、立体写真を覗き見るコーナーなどがあります。

カメラだけではなく、現像と引き延ばし用のアイテムとか、レンズ製造用の無限遠調整機械も目を引きます。特に印象に残ったものが報道用の転送装置です。キーボードも一緒にくっついて、ファックスのような構造をしています。

コレクションとしての珍品もあります。1840年代のダゲレオタイプの大型カメラ二台とライカバルナック試作機0型(全部25機のうち)一台を目にすることができます。カメラマニアにとってはみただけでワクワクするでしょう。

今回の特別展示では写真家とカメラです。森山大道とリコーGR、木村兵衛とローライフレックスなどの物語が写真とカメラのコンビで展示されています。

博物館に2時間滞在して、満喫しました。さて、神保町の方に向かいましょう。

休日のありふれた景色ですが、まったりしている心から、何気ないシャッターを切っていきます。

代官山通を通って、途中の近代美術館の前で一息して、「飲むコーヒーゼリー」をいっぱいいただきました。

近代美術館前の移動カフェ

美術館の前の椅子に腰をかけ、目の前を行き来している人々をみて、なぜか考えが漲ってきました。

近代美術館前の庭

写真は光の芸術だとよく言われます。それは闇を背景にしたキャンバスの上に、光という筆で作画しているようなものです。この美術館を訪れる人々もまた心の闇にささやかな光をもたらし得る可能性を感じて、美術に求めているかもしれません。日陰に坐れば寒い秋の日に、太陽の暖かさを求めて、光の中へ身を投じます。

近代美術館前

さて、神保町まであと少しです。スナップショットを取りながら、移動していきます。

子供たちに「撮られているぞ」と気づかれた

古本屋の集まる神保町にきました。期待したより遥かに人が多いが、そこに立ち止まっている人たちの目には何かと真剣に向き合っているものを感じ取りました。

神保町
古い雑誌の乗っている台車
神保町
本棚の前に立ち止まる
神保町
本棚のに没頭する

今回は撮影に専念したので、本屋の中に踏み込みませんでしたが、今度は古本と出会うための旅をしようと思います。

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