今年のお盆休み、私は友人二人と念願のトルコへ旅行をしてきました。
歴史が好きな私にとって、古代ヒッタイト文明からビザンチン帝国、
そしてオスマントルコに続いたこの土地は、
神秘に包まれ、豊かな文化を育んているのに違いありません。
ヨーロッパとアジアの境目に位置しているこの国は、
キリスト文明とイスラム文明の融合や衝突を繰り返し、
常に東西交流の最前線に立っています。
そして、何より私をその地へ誘ったはナポレオンのこの言葉
世界がもし一つの国であったならば、その首都はイスタンブールである。
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準備
ツアーで行こうと思ったのは、トルコ人は英語通じないと言う事前情報を入手したからです。(観光地ならだいたい通じる、それは後々の話ですが)
カッパドキア2泊とイスタンブールの2泊です。
お盆ということもあって、一人あたり40万円かかりました。
交通、ホテル全部こみの金額です。
日本人ガイド付きの楽々プランなので、高いのも仕方ないですね。
ツアーが全部カバーしてくれたおかげで、ほぼ何もしないで済みました。
持ち物は変換アダプタと歯ブラシと歯磨き粉です。
トルコのホテルには歯ブラシを用意しないのが一般的です。
まぁ、忘れたとしても現地で買えます。(実際私は歯磨き粉を忘れました😓)
夏のカッパドキアが特に乾燥し、日差しも強いので、UVも持っていきました。
どのカメラを持っていくのかはかなり悩みましたね。
重すぎるのも旅行自体がつらくなるし、
かといってスナップショット機しか持っていかないのももったいない気がしました。
悩んだ結果、こちらの組み合わせで行きました
- Sony a7RII + FE28/2.8 + フォクトレンダー40/1.2 VM
- Fujifilm 670 + Velvia100 5本
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重量を減らすため、単焦点2本しか持っていきませんでした。
カッパドキアの美しい景色を期待して、中判のフィルムカメラも一台加えました。
Amazon basicのカメラバッグに収められて、ちょっと余裕があるくらいです。
カッパドキア
ドーハで一回目、イスタンブール2回目の乗り換えを経て、カイセリ空港にやっと到着しました。カッパドキアには空港がないため、こちらのほうが最寄りです。
空港には迎えにくれる係りの方がすでにカードを持って待機していて、車まで案内してくれました。周りは観光客がいっぱいです!
8月のカッパドキアは暑いです。
特に日差しが非常に強く、眩しくて、目が開けられないくらいです。
さっそく車に潜り込んで、カッパドキアに向かいます!
道沿いには、村が点在して、牛や羊の姿をよく見かけます。
洞窟ホテル
1時間くらいでホテルに着きました。
ユルギュップという小さい町にある洞窟ホテルです。
昔は廃墟だったらしく、今のオーナーが土地を整備してホテルを建てたらしいです。
チェックインが終わると、部屋まで案内してくれました。
トルコ人が本当にフレンドリーだなぁというのが第一印象です。
部屋の使い方を全部説明してくれました、英語でです。
イメージした洞窟ホテルとぴったりで、大満足です。
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料理
噂の世界三大料理の一つ、味はどうかなぁ…
さすがです、というしかありません。
トルコ料理の主食もヨーロッパと同じで、パンです。
バスケットのパンがオリブオイルとかの味付けと一緒に出されます。
こちらが初日の夕食に出されたスープです。
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スープが1000年前ビザンチン時代使ってた炉で煮込んだとか…本当かよと思いましたが、どうも嘘ではないらしいです。下がその炉です。
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初日のメインはチキンとパスタです。
イタリアのパスタとは全然違います!
もっと柔らかな感じの食感です。チキンもとてもうまいです。
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二日目の前菜はブドウの葉の冷製ドルマです。
爽やかな食感で、一日の疲れをほぐしてくれます。
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メインはナスのひき肉ポートとご飯。
前者がとてもおいしいですが、ご飯がまずいです。
チャーハンよりさらにサラサラした感じで、日本のご飯が恋しくなります。
デザートですが、バグラヴァとプディングになります。
どれもすごく甘いです。
個人的に甘いものが好きではないが、とても新鮮な食感です。
両方ともちょっとサクサクした感じはあります。
観光
カッパドキアは大昔火山の噴火によって形成された土地です。
幾万年の変遷をへて、溶岩石が雨や風によって侵食され、独特な様子を呈しています。
およそ4世紀から、最初のキリスト教徒がローマ帝国の迫害から逃れるため、
この地にたくさんの洞窟を掘って暮らしていました。
その後も1000年続いて、彼らの子孫が洞窟での生活を続いたのです。
ギョレメ野外博物館
初期キリスト教徒が作った教会がここにあります。
世界遺産です。
ヨーロッパでよく見かけるバロックやゴシック様式の教会と違って、
極めて簡素で、中世らしい壁画が洞窟の内部に描かれています。
内容は聖書の物語や聖徒の像が多く、
マリアへの特別な信仰はこの時期にはまだないらしいです。
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特に印象に残ったのは「蛇の教会」です。
イエスが馬に乗って、槍で蛇を刺し殺すシーンが鮮明に描かれています。
絵具は全部自然物から得られたもので、卵テンペラのような技法を使っていたそうです。
ピジョンバレー
昔この地に住んでいた人々は大量な鳩を飼っていたらしいです。
原因は鳩のフンを肥料として利用するためだそうです。
このピジョンバレーには鳩のために用意した小さい洞窟がたくさんあります。
鳩の群れが空を飛び回る姿を見ると、1000年前の人はどんな暮らしをしたのだろうかをふと考え出してしまいます。
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隣の木に、トルコの魔除けの青い目玉「ナザールボンジュウ」が多く結ばれていて、
おみくじを彷彿させてくれます。
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奇妙な岩
とにかくカッパドキアには奇妙な形をしている岩が多いです。
火山噴火によって、地表が違う岩の層ができてしまいます。
ある部分が硬く、ある部分が柔らかいということで、水や風による侵食の度合いが違います。
もし上に硬い岩があって、下に柔らかい岩があると、下のほうがどんどんなくなって、飛来石のような形になります。
自然の力に敬服するしかありませんね。
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カイマルク地下都市
キリスト教徒が迫害から逃れるために作った地下都市。
驚くほどに広く、複雑な構造になっています。
キチン、寝室、ダイニングルームなど、ほとんどわれわれの家の構成と変わらないです。
ワインを作る部屋まであります!
部屋の間に連絡通路があります。
敵が攻めてきたとき、大きな岩で通路を塞ぐことも可能です。
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工房
トルコの伝統産業は陶磁器、絨毯と革製品です。
3つのワークショップに行って、紹介をしてもらいました。
陶磁器が時にカッパドキアにおいては重要で、
昔、女性の家が結婚相手を探すとき、向こうの陶磁器を作る腕を必ず拝見するらしいです。
今でいう収入チェックみたいな感じですね。
カパトキヤの陶磁器はクオーツをを材料として使うのが有名です。
現物を見ると、たしかに艶のある美しい品物です。
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作品の中にはプレート、酒器やツボもあれば、壁飾りの額もあります。
特にこのツボが面白くて、腕をくぐり抜けて、肩で担いだ状態でお酒を注ぐそうです。
値段はやはり高く、数万円のもが多いですから、買いませんでした。
陶磁器に続いて訪れたのはトルコ絨毯の工房です。
トルコと言ったら、絨毯の方が有名なんじゃないでしょうか。
ダブルノットで編まれて、ペルシアンやインド絨毯より丈夫です。
使えば使うほど、丈夫になるらしいです。
材料はウール、シルク、コトンが使われています。
手作りを歌っていることもあって、丁寧で精緻な作りになっています。
様々な伝統の紋様がある絨毯と飾り用の絵のように表現している絨毯もあります。
工房の職員は日本語がとても上手で、一枚一枚の絨毯を地面に広げて、解説してくれます。
チャイやトルココーヒーもごちそうしてくれます。
とても美しく上質な品物で、値段も高いだろうと予想していましたが、
実際聞いたらびっくりするくらい高価で、100万単位のものも普通にあります。
革製品のワークショップではランウェイを披露してくれます。
そこは羊革を使って製品を作っています。
とても薄く、軽く、着心地がいいです。
イスタンブール
カッパドキアから飛行機に乗ってイスタンブールに向かいます。
カイセリ空港と同じ、イスタンブール空港に向かいにきてくれて方がいて、私たちをホテルまで案内車で送りました。
着いたのがイスタンブールのヨーロッパ側で、町が古いせいか、道が狭く、とても混雑していました。
ホテルまでの道のりで、ビザンチンの古い城壁の跡が散見されて、この町の悠久の歴史を物語っています。
いたるところに売店、レストラン、ホテルが見えて、観光がトルコにとっていかに大事な産業なのかがはっきりとわかります。
近年も観光客がどんどん増えていて、観光バスが道を塞ぐくらいの盛況を見せています。
料理
イスタンブールの料理はカッパドキアのと比べると、より西洋の料理に似た感じがあります。
無理もありません、ヨーロッパの玄関に位置している以上、影響を受けるのは当然でしょう。
ホテルの近くに評判高いお店を見つけて、さっそくいってみました。
魚料理の店です。
ここら辺の他のレストランと違って、積極的客引きをしている節もなく、いかにも味で勝負するようなお店です。
実際店に入ると、非常にジェントルマンな接客で、割とお客さんと距離を取っているイメージです。
隣の席にも2人の日本人が座っていて、人気の理由がなんとなくわかります。
肝心な料理ですが、サラダ、エビの煮込みと焼き魚(なんの魚か忘れましたが😅)
どれをとっても美味しいです!しかも値段が安い!一人あたり1500円くらいです。
こちら人気の店にも行ってきました。創業が1920年です。雨なのに、列が並んでいます。
定番商品がミートボールです。スティックなのに、なぜボールなのかよくわかりませんが、とにかくうまいです!適度な弾力性のある食感です。
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観光
トプカプ宮殿
征服者ムハンマドが1453年にビザンチン帝国のコンスタンチノープルを陥落させ、イスタンブールに名前を変えたのち、この宮殿を建てたらしいです。
オスマン帝国の文化がこの宮殿に凝縮していると言ってもいいです。
帝国領内の大理石産地から大理石を運ばれてきて、階段、道路、建物を作っています。
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宮殿内の一箇所にはスーダンの所有していた鐘や武具が展示されていました。
きらびやかで、黄金や各種のジュエリーがソードや銃の装飾となっていて、オスマン最盛期の国力の強さと奢りを彷彿させてくれます。
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「帝王の門」、「挨拶の門」に続いて「幸福の門」をくぐり抜けると、内庭に入ります。
昔の枢密室には、聖遺物である「ムハンマドのマント」と「ムハンマドの軍旗」が収められていて、言葉にできないすさまじい圧迫感を感じます。
イスラム教は一神教の中でも特に厳しく、偶像への崇拝は一切禁止です。
「アッラーは絶対である」という信条を実感しました。
アヤソフィア
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さすがに1500年前に立てた大聖堂だけあって、その美しさと威厳には感服しました。
しかも6世紀から17世紀の間、世界最大のバシリカとして1000年も君臨していました。
オスマン帝国時代になると、モスクとして改修され、4本のミナレットが追加されました。
そして、今は教会でもなく、モスクでもなく、博物館として、人類文明の遺産として私たちの前にその姿を見せています。
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キリスト教のモザイク絵やイスラム教の説教壇が同時に存在しています。
なんという不思議!
内部の装飾はカトリック教会でよく見られる豪華な絵や彫刻があまり見られたく、
シンプルでありながら、威風堂々で、神への純粋な信仰と聖なる精神を感じ取れます。
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ブルーモスク
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大規模な改修が行われていて、残念ながら、内部の雰囲気を体感するくらいしかできませんでした。
使われるタイルが青いから、「ブルーモスク」と呼ばれたらしいです。
世界で唯一、6本のミナレットを持っているモスクとしもユニークな存在です。
スレイマニエ・モスク
ブルーモスクに譲らないほどの美しさを持っているモスクです。
観光客がほとんどいなくて、静かに楽しみたいときにはオススメです。
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どのモスクにも共通ですが、女性が入るときはスカーフが必要で、短パンも不可です。
こちらのモスクもブルーモスクも観光客に配慮してくれて、ズボンやスカーフは無料の貸出をしてくれます。
地下宮殿
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まことに壮観です!
ビザンチン帝国時代の貯水池として使われたこの「宮殿」はコンスタンチノープルが千年で不落の理由を物語っています。
強固な城壁とここの10万トンの水の備蓄は城を包囲戦で落とすことを不可能にしました。
グランドバザール
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トルコで一番大きいバザール(屋根付市場)として有名です。
しかし、ここでの買い物は出来るだけ避けたほうがいいです!
なぜなら、ほとんどの商品に値札が付いていません。店主の意思で値段がずいぶん変わります。
特にガイドが案内した店には気をつけてください。コミッションが入るため、他の所と比べるとダントツに高くなります。
実際にTurkish Delightという有名なお菓子を買おうとしたとき、ガイドが案内した店は150リラ/kgで、スーパーでは70リラ/kgでした。
全く同じものではないかもしれませんが、ここまでの金額差があるとは思いません。
どうしても買いたいなら、値下げ交渉を繰り返すことです!
友人が絨毯のお店で、スタート金額700ドルの絨毯を200ドルまで下げた経験があって、結局怖くて買いませんでした。
飲み物
定番のチャイ(紅茶)とトルココーヒーです。
どっちもかなり強い味で、個人的にはかなり好きです。
チャイは特殊な二段ボットで作ります。
下の段でお湯を沸かし、上の段で茶葉を蒸らしてからまたお湯を入れます。
飲むときは、上の段からお茶をだし、下の段のお湯で味の濃さを調整します。
トルココーヒーの作り方もイタリアコーヒーと違って、ドリップしません。
コーヒー粉とお湯をボットに入れ、沸かしながら、かき混ぜます。
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飲むときは、コーヒー粉と一緒に飲みます。
飲み終わったあと、受け皿をコップに被せ、逆さまにします。
受け皿に残った跡を元に占いをするのがトルコ人の楽しみです。
換金
イスタンブールの空港の換金所で換金しました。
レートと手数料も変に高くないです。
ただ、多めに換金すると手数料が安くなるようとか言われますが、
予算などを考慮して、適宜換金したほうがいいです。
実際私は1000リラ換金して、帰るとき、300リラくらい残ってしまいました。
おみやげ
お菓子のTurkish Delightが有名です。
こちらのお店がオススメです。基本的に値札が付いているので、安心です。
他にはアップルティーやナザールボンジュウ(青い目玉)もオススメです。
アップルティーはスーパーで買ったほうが安心で安いです。
特にイスタンブールの街にはおみやげ屋さんがたくさんあって、だいたい同じものを売っています。
何軒か回って、値段を比べたほうがいいです。
終わりに
トルコの旅本当に楽しかったです!
イスタンブールにはまだまだ行きたい場所がたくさん残っています。
自然、文化、歴史、料理、旅行に求める全てが満足してくれます。
長々と書きましたが、ぜひトルコに素敵な旅を!
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